いつのことか池袋を歩いていたら
喫煙所の清掃をしているおじさん二人をみかけました。
二人とも腰を90度近く曲げて黙々と仕事をしていました。
それは僕がいつも使っている喫煙所です。
せっかく見かけたんだし、お礼を言おう。そのついでに一服しよう、と思い
煙草に火をつけました。
そうしてしばらく観察していると
面白い事が分かってきました。
喫煙所には僕の他に10人ほどいたのですが
その誰一人として二人の清掃員に注意を払わないのです。
さながら舞台裏の黒子のように
清掃員たちはまわりから存在を無視されているのです。
まわりの人達は何をしているかというと
携帯電話をいじったり、電話をしたり
どこか遠くの方を見たりしています。
本当に
そこに清掃員が
いないかのように
振る舞っているのです
僕にはまるで二人が
池袋に住む影の存在。人間以外の存在
もしくは幻のように見えました。
「いつもごくろうさまです。」と僕が言うと
「ああ。どうも、どうも。」と一人が答えてくれました。
僕はなんだかほっとしました。
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