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2009年4月11日 (土)

脳内活字全集第1巻P923より

まず、立ち上がってください。そして、一歩前に踏み出してください。右足でも左足でも構いません。君はたったいま、足を一歩前に進めた結果の、今のその景色が見えています。ではその、10歩先ではなにが見えるでしょうか?100歩先は?100万歩先は?100000000000000億光年先は?君が居るその部屋の天井に1つだけついている電球が放つ光が赤から青、黄、緑、白、黒、再び青、と変わっていったときに、君の心の中に磁石のように付きまとう、己の将来像に関する二次元的な考察は全く意味を成さないように思います。そんな無駄な努力をするよりも、左斜め下とか、右斜め下とかに目を向けて、狡猾な茨のごとく、泡にまみれた蟹のごとく、鏡を見ることを止め、人生についてあれこれ他愛もない思索をめぐらすのを止め、イカサマのような恋愛を止め、君のその場所から100000000000000億光年の彼方にある牝牛の瞳に映った広大な田園風景を眼前に出現せしめるべきだ。なにより、我らの人生、生きることそのものは苦であるとさえ言われる、気の毒な人生よ!幾千の星の瞬きを見ることもなく、シベリア狼の満月への咆哮を見ることもなく、ただただ死んだ魚の群のような喧騒の中で、自らの生涯を閉じ、あの世にのみ快楽を求めるというようなことを、君はしたいと思うのか。右手の人差し指から、腕を伝い、心臓を通って、左手の人差し指へとつながっている赤い糸。左手の人差し指と右手の人差し指を合わせることさえできれば!僕たちはいったいどうしてこの世の波を超えていく術を見出すことができるだろう。アルファベットと、電話機と、こめかみにときどき起こる鈍痛は、やがて君たちの頭から伸びる数本の透明な糸をすべて煩悩の統制という巨大なハサミ、悪魔のような、吐き気を催すほど下心に溢れた思想を味方につけ、いずれすべて切り落としてしまうかのようにさえ思えるのだ。さあ僕は何からはじめればいい?

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