「澁」という字にすごくドラマを感じます。次々押し寄せてくる大量の水を、一人もしくは大勢で、必死で止めようとしているイメージです。これからもし、頭の中の土手が決壊して、水が溢れ出して混乱しそうになったとき、僕は頭の中で「シブ!」と叫んで、あらゆる隙間からすり抜けようとする水を必死で抑えて混乱を沈めようと思います。
多分1年以上前の話だけど、その日池袋を歩いていたら、20センチくらいの黄色い鳥が地面に立っていました。生まれて初めて見る鳥でした。すぐ近くまで行ってみましたがそいつは微動だにせず、じっと空の方を見つめていました。そばにしゃがんでも逃げません。変な鳥だなあと思ってじっと見つめていると、だんだん怖くなってきました。鳥は立ったままピクリとも動かず、なんだか生きているとは思えない目をしてました。何かを深く考えて、その結果ある恐ろしい事に気付いてしまったような目をしてました。なんでこんな目をしているんだろう。自分の子供がカラスか何かに食べられたのか、巣が木から落ちてしまったのか、いろいろ考えましたが、その鳥の目線の先にはただ空があるだけです。目の前で手を振ってみてもまったく反応しません。でも、自分の足で立っているんだから確かに生きてる…。こっち向いたらどうしようと思ったら怖くなってきて、その場を去りましたが、未だに鳥の顔はしっかり覚えています。元気かなあ。
ひび割れた我が家から潮の香りがする。波が寄せて、引いて、というのはもしかしたら時間の不確実性。一寸先は闇。つねに一寸先は闇。何故にそうなる!?未来は案外わからない。何が吉と出るか分からない。なんて世界だ。
その手のひらに刻まれている何本もの筋の何本かに、神秘のバラが宿っている。秘密のオアシスがどこかにある。僕だけの場所がこの筋のどこかにある。リン。リン。世の人の狭い世界。君たちのその頭の中の、ミジンコが住むにちょうどいい程度の狭い世界に、まわりの心ない人間によって爆弾が落とされ、あなたの街が粉々に吹き飛ばされてしまったとしても、そんな事が、はたしてあなた以外の誰の脳内世界と関係がある。人間はそんなに不寛容な生き物ではないはず。
あたらしいあさ
いのちのいぶき
うつくしいうみべ
えがくえんぴつ
おとことおんな
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